最近中国で、子供の髪形をみると、いろんなデザインカットを見ることができる。
友人のお子様で、彼はこのスターのデザインカットをとても気に入っており、
プール教室の際に、一枚撮らせてもらった。
中国は2013年から一人っ子政策が緩和され、2016年から二人まで出産可能となった。
とは言え、裕福な家庭以外は経済上のプレッシャーから、子供は一人の家庭が多い。
両親、両祖父母6人の給与、退職金、株投の運用等で1人の子供を育て上げるため、
子供1人なら、経済的余裕もそこそこある家庭が多い。
実際に生活していると肌で感じるが、最近中国の経済は急激に下火になって来たが
子供関連業界は少し別の世界を行く。
そこで今日は「子供専用ヘアーカットサロン」と言う角度から、中国を眺めてみたい。
日本では、子供の髪は「ご家庭で」が割と多くを占めるのではないだろうか。
中国でも乳児期は「自宅で」と言う家庭が、多いように感じる。
ちなみに男女問わず、生まれた後に丸坊主、いや5分狩り、
いやいやきれいに剃ってしまう傾向がある。
これは一つの風習で「丸坊主にした方が、良い髪が生える」との理由だそうだ。
我が子は、私が「反対!」を宣言したので、丸坊主は免れたが
散歩でひとたび外に出ると、必ず「なぜ剃らない?」と尋ねられたものだ。
幼児期になると、髪質も変わり、伸び方も早くなってくる。
小さい子供、特に2歳以下はとにかくじっとしていることが難しく、
こちらの言うことも聞き入れてもらえず、コミュニケーションがとれない。
そのため髪のカットには非常に苦労した、という方もたくさんいらっしゃると思う。
そこに目を付けたのが「子供専用ヘアーカットサロン」。
その名は「爆米花(ポップコーン)」
子供だけに特化したカットサロン。もちろんパーマ、ヘアカラーも対応可能だ。
子供が少しでも快適に過ごせるための工夫が、至る所に施されている。
まずカットのための椅子。
その他黄色の車も。もちろん女の子用に、ピンク色や白色のかわいい車もある。
ハンドルはきちんと動き、ドアもあけることができる。
鏡の中央下には、テレビが付いており、子供の気を紛らわせるのに一役買う。
USB差し込み口もあるため、子供が好きなアニメをダウンロードして持ち込んでも可。
もちろんお店でも、50種類ほど準備してくれており、自由に選べる。
只今カット中。ピンクの服を着た方が美容師さん。
彼の様に少し大きな子供は、普通の椅子も選択可能。
自分一人で動かずに座ってられる子供にはアシスタントが付かないが、
我が子が1歳の誕生日を迎えるとあり、初めて訪れた時は
2名のアシスタントが付き、歌を歌ったり、踊ったりと子供の機嫌を取ってくれた。
嫌がり、もがく子供を一緒になだめながらカットする美容師も大変だが、
そばで必死になって機嫌を取ってくれるアシスタントの仕事も、頭が下がる職業だ。
冒頭に出てきたようなデザインカットをしなければ、
子供専用バリカンやカットばさみを駆使し、基本10分ほどで仕上げてくれる。
子供がじっと座っていられる時間を把握しているからだ。
カットが終わり、髪を洗い流すシャンプー台も、子供サイズ。
取り扱っているシャンプーも、大人顔負けの物ばかり。しかも「子供専用」とある。
店内で、すかさずおもちゃやお菓子も販売。商売上手!
もちろんキッズスペースも完備。
髪を洗い終え、ドライヤーをしてもらい終了。
支払いへ。
その日限りの「一見さん」価格は79元(=1400円弱)。
中国ではよくあるが、会員価格と言うのがあり、
先に決められた金額をチャージすれば、割引が適応される。
もちろんチャージする金額が多くなれば、割引率も上がる。
我が家は購入時に1000元チャージしたため、25%割引。つまり59元(=1000元弱)。
ちなみにパパのカットは20元で、私のカットは79元。
子供用の値段の高さがよく分かる。
幸い、今回は9月から始まる新学期にあわせ、キャンペーン実施中。
もちろん、ただで甘い汁は吸えないシステム。
LINEのタイムラインのような、Wechatの朋友圈に下記の広告写真を投稿すると、
このキャンペーンの特典を得られることになっている。
特典はなんと50%オフ、つまり29元(=約550円)
最近では我が子も、すっかり自分ひとりで座れるようになったので
会員カードは友人の子供に譲り、そろそろこのお店も卒業し、
自宅で母のカットかなと思っている。
ただ、この1年間は本当にお世話になった。
店内中響き渡る声で泣きわめき、暴れた日も幾度とあったが、
一度も怪我なく、もちろんハサミのかすり傷等なく、安全にカットしてもらえたこと。
仕事とはいえ、ここのスタッフさんはみんな優しく、非常に丁寧で、
美容師さんとアシスタントさんがチームとして動いてくれるため、
毎回、安心してお願いできたことをとても感謝している。
さらにお店がデパートの一角にあるため、このチームとパパに子供を預け
気分転換にショッピングしたり、スイーツを食べに店を離れるママもよくいる。
最近は我が子もパパと二人だけでもいられるようになったので、
私もその恩恵に預かり、昨日は鮮芋仙というスイーツショップで一息。
時間にすれば、ほんの10~15分ほどのことである。
しかしこの10分がどんなにありがたく、活力をくれることか。
色んな状況が幾重にも重なり、一筋縄ではいかないのは重々承知しているが、
日本のママさんたちは一人で何役もこなし、多くの仕事が集中してしまう傾向がある。
そんな日常のひとときに、ほんの少しだけでも「自分だけの時間」が取れること。
決して悪いことではないのではないだろうか?
仕事に育児にと、がんばるママへのご褒美がこんな形で存在するのも
またありではないかと、カットに連れて行くたびに思う中国の子育て事情である。