日本はお盆期間。
先祖供養、新仏供養のため、里帰りの方も多いだろう。
冠婚葬祭は日本でも各地さまざま。それゆえに難しく、戸惑うことも多い。
中国もまた然り。
今日はその中でもお悔やみ関連について書いてみたいと思う。
まず風習のひとつとして、普段気を付けたいことは、文字を書くときの色である。
日本人は白地の紙に、黒色インクで文字を書くことに抵抗がない。
しかし中国人が相手の場合、避けた方が無難である。
なぜなら「白=活、生」「黒=滞、死」を意味し、白地に黒色で何かを書くことは、
「『活』きているものを『滞』らせる」、
「生命の営みを止めてしまう」ということのようだ。
つまり白地に黒色インクは「死」を連想させ、中国人は不吉と感じるようである。
そのため白紙には青色インクを使用し、できるだけ「それら」を避けようとしているのだ。
話は少し逸れるが、以前留学中に
「中国のボールペンのインクは、なぜこんなにも青色が多いのか?」と思ったことがあった。
上記のような理由もあったのだろう。
現在はだんだんこの風習も薄らぎ、気にしない方も多くなってきているが、
知っていて損はないだろう。
話を冠婚葬祭の「葬」の部分に戻そう。
先日日本の友人から、勤め先の中国取引先の社長の弟がお亡くなりになり
会社としてお供えを用意したい。そこで何がいいか教えてほしいという連絡が入った。
供花という場合もある。
しかし現在は、やはり香典、つまりお金である。
それでは、いったいいくら包めばよいのか?
もちろん関係性が関与してくるが、相場は1000元~5000元(約2万~10万円弱)。
と言っても、なんせこの広大な中国。
マナーも地域や年齢によって大きな開きがあるために、細心の注意が必要である。
そのため主人をはじめ、友人の取引先が上海近くの南方だったため、
上海の総務関連の仕事をしている友人たちにも確認してみた。
「1000元、2000元という風に区切りのよい数字で渡せばよい。」
「今はそんなにとやかく言わなくなってきた。」
という意見が多くを占めたが
世界中の誰もが知っている、某超大手日系企業で、総務部長を務める彼女から待ったがかかる。
「我が社の会社規定で、香典は5001元と決められている」
中国人にとって2で割り切れる偶数は、縁起のいい数字。
その代表たるものが結婚式でよく見かける「喜喜」であろう。
そのため1000元というような割り切れる数字はNG。
わざと1元をプラスして、割り切れない奇数にするのが礼儀だという。
日本のように香典袋などはなく、白い袋に入れる。
最近友人間では、お葬式に参列という手間も省く意味も込め
Wechatのお財布機能を利用する場合も増えてきた。
上記の大筋を知識としつつ、地域によっても異なるため、最終確認は必ず地元の方にしてもらうことをお勧めする。